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dunno logs

神山生活四年目

神山町わたしたちの「まち・ひと・しごと」を考える集いに参加してきた

神山町役場 | わたしたちの「まち・ひと・しごと」を考える集い

7/25 に私が住んでいる徳島県神山町で開催されたフォーラムに参加してきたので、感想がてらメモを。

セッション1: 「地域の未来を変える高校の可能性」

進行役の西村さんの導入部分

今日は島根海士町の豊田庄吾さんのお話を聞く

海士町は10年前から I ターンが増加、人口推移は減少がストップ その中でも隠岐島前高校は生徒数が 2009 年から増加傾向。2学級に増えた。

海士町も十分貧しい。その貧しさが光になればという時間。

「まち・ひと・しごと総合戦略」の説明

ここで、神山町が今取り組んでいる「まち・ひと・しごと総合戦略」の話し。

2020 年度までの目標・基本的方向・具体的な施策を本年度中に検討・策定する。
これまでのよくあるパターンだったコンサルタントに丸投げしたり、大学の偉い先生に任せたり、行政主導でやるのではなく、地域の人たちで未来を作ろう的な企画のようだ。
一次締め切り 10 月。(もう出してるところもあるとか。)

総合計画とは異なり、網羅性は求められていない。
この辺の話しなのかな

www.kantei.go.jp

「人口減少」と「仕事づくり」の2つに関して、どういう目標を地域として持ちますか?という投げかけらしい。
神山では「子育て」「働き盛」の2つの世代で 30 名程の working group を作って進めているようだ。

地域の未来

学校が無いと、子育て世代が住めなくなる。
一方国は、学校の統廃合の基準を厳しくした。。。。文科省レベルでは地方に人がいられない状況にしていっている。

神山でも今まさにそのテーマだろう。

学校のあり方は地域の未来にどうつながるのか?

経営視点で見れば、縮小は仕方ないと思う。でも、だからこそ、(無くなるも含めた)選択権を地方に委ねたのだろうか?と思ったり。

ここから豊田さんにバトンタッチ

「地域の未来を変える高校の可能性」

神山のすごい話しをたくさん聞いていて、来るのが怖かったらしい。。 一瞬だけど神山で「この風景は次の世代に残したい」と思ってくれたらしい。

成功はしてないし、今でももがいている。すごく必死。今でも海士町は挑戦事例。

魅力化構想 から 新魅力化構想

高校だけでなく、地域も含めた永久の魅力化のため

問題意識と地域の課題

経歴: Recruit -> ウィルシード(企業向けの人材育成)

問題意識: 自立した人材、社会で必要とされる人材育成の不足
-> 学歴偏重の勘違い人材が多くなってきた
-> 中高のうちから教育していければ

新しい問題意識: 自立した地域とは?この地域は存続するのか?
-> 財政難
-> 後継者不足

教育の課題

隠岐島前高校が統廃合の危機
島根は1学年21名切るのが3年続くと廃校。そして 28 名まで減った。

海士町からは本土の高校に通うのは無理。つまり学生がいなくなる。船だと3時間半かかるので下宿必須。仕送り代も当然辛い。
学費もしんどくなるので、子供が高校出るところで、親世代も一緒に本土に移住ケースが出てくる。

子供・その親世代がいなくなり、文化の継承も辛い。

当時の学校の状況: 図書館入れない。物理の先生いないので学べない。

教育委員会は?
-> つぶす基準は作るけど、活性化策は作らない。(経済的にも統廃合を推進したい)
-> 県管轄なのに自治体から口を出したので嫌な目で見られた

元々は「存続プロジェクト」という名前だったが、それは「存続しない」場所と言っているようなもので、そんな所にいかせたくないですよね。
-> 魅力がある学校にいかせたいよね。それは地域も同じでそういう地域に移住したいはず。
-> よって「魅力化プロジェクト」という名前にした。

当時の不良学生が今の親世代。彼らは自分達の学校にいかせたくないと思っている。
-> 寮が 4/56 で800万赤字

地方での高校説明会もしたが、(たぶん怪しく見られて)説明会会場に集まる人もゼロだった。。

やったこと

魅力化の会を作った(エラい人も入れて)

数値目標を作った - 島前地域からの入学率増加 - 地域外からの入学数増加

下部組織でワーキンググループを作りビジョン策定。

進学塾を作り、学校と組ませて学力を上げる。
-> でもこれだけだと後発感は否めない。
-> 新たにまちづくりコースを高校に作った。今で言う地方創世リーダーを育成する。

どんな人が必要か?
-> 地域で新たな生業・継業を作り出せる人
-> 仕事が無いから帰れないではなく、仕事を作りに帰ってくる

島には何もないけど、、、
-> 人口減少・高齢化・財政難の最前線、課題だらけ。ここで学べば未来を拓く力になる。 -> 「機会・想い・仲間」がある

そういう想いに共感してくれる親から子供を預けてくれる人が出てきた。

隠岐国学習センターという塾を作った

人が人を呼ぶ循環が生まれてきている
足りない学習部分は skype とか使ってる

夢ゼミ: 塾の中でやっている
-> 自分と違う考えの人間を受け入れて話しができる力
-> 例えば農業の人に来てもらって、みんなでどうやったら変えられるかを考える。
-> 「リアルな体験」を重視したゼミ形式の授業。
-> Skype でいろんな人とつなげる。 -> 天才畜産少年が現れた。慶応SFCで研究中。

「自分がやりたい x 地域軸での縁」を考える。

建物も「継承」したいので、新校舎も築100年の古民家をリノベーション。

僻地の若者に生じやすい傾向

  • 価値観の同質化
  • 関係性の固定化
  • 刺激や競争の(忘れた。。)

全国からある意味の脱藩生を募集。

今では新入生の5割が島外から入学(ついには海外からも)

これまでは、統一価値基準で(経済・教育)において東京に追いつけ追い越せだった
-> もう外に出す教育はいらないのでは?(結果過疎を招いたよね?)

東京は素晴らしい、じゃあ田舎はダメなんだろうか?

産業だけでなく、教育もブランド化できるのではないだろうか?

学校が人気になったが島民は余裕で受かるので、教育移住が始まった。

「S ターン」をしたいという子の出現。一度島外から島に高校に入学し縁を作った後に県外で学び、また島に帰って仕事をする。

<<休憩挟んで後半>>


これからの学校に必要なこと

高校の役割の再定義
-> 学力を身に付ける事?? -> これは手段でしかない。
-> 目的は地域の担い手を作る

出口を押さえる
-> 島で言えば、島の最高教育機関が高校(つまり出口)
-> 小中でふるさと教育をしたのに、高校で急に点数の世界に追い落とされてしまう。。
-> よって、高校で地域に戻る選択肢をきっちり提示したい

グローカル教育
-> 高度成長と侍読可能という2つの切り口
-> 持続可能は田舎にこそある
-> 片方ではなく、両方の目線を持てるようにする。(ローカルの方だけ持てという事ではない)

  • 地域エンゲージメント
  • グローカルセンス
  • 志(利己と利他の両方の中で使命感や覚悟を伴うもの)
  • 学習力(自分だけでなく、チームや組織で学び続ける。素直・謙虚)
  • 社会力
    (他にもあったけどメモれず。。)

現実を直視する
-> 都会でも起業は難しいのに、田舎でどうするの?
-> コーホート図で現実を見るのは辛いけど、、

郷土愛を育てる
-> 将来地域と関わりたいと思ってくれる人材を育成する
-> 戻ってくるだけが選択しではない。あくまで郷土に関わってくれるだけでいい。
-> 祭りの時に帰ってくるだけでもいいのだと思う

-> 自然体験、地域の人・歴史との関わり
-> 順番的には、「まず好きになってもらう」「次に厳しい現実を診てもらう」がいいかもしれない
-> 外の人間が地域のいいところを言ってあげればいいよ(または関わる)

画一化された統廃合の基準からSSS, SMSへ
-> super small school, super magnet school(小さくても魅力のある学校、IT や地域の人に協力を得ながら)

まちづくりとの接続

コーディネーターの必要性
-> 両者の言語を理解できる人が必要。現場と熱い人が一緒になるとぶつかってしまう
-> 対立構造を作らない三方良しとかんがえられる人。コミュニケーション、巻き込む力。(一人ではなく、チームでその要件が満たされればいい)

「志を果たして帰る」から「志を果たしに還る」ひとづくりへ

僕は会社に関係を作ってもらったんだなぁ。
川の音を聞いて寝れる。確かに最初はいいなと思った気がする。

「僻地に魅力が無い」は大人の見方、都合だろう。その目を子供に押し付けるべきではないよね。

パネル「神山の地方創生にむけて」

教育資源

豊田さん: 「僕が住んでたらいろいろやりたい」ぐらい神山にはいろいろ揃ってるように見える

人、挑戦出来る環境、まちづくりを学べる学校を作れば、ほっといても外から来るのではないか?
メンバーも揃ってる。

ハードルの高さ

大南さん:
まちづくりをテーマにした学校を作るのはすぐにできるだろう。
-> 人材もいるし、実際、神山塾もあった。

-> しかし今神山に住んでいる人は、そのテーマの学校でいいと思っているか?
 -> 大学に行かせたいと思ってる人もいるのでは?

-> じゃあ、どういう方向に学校を向けていきますか?
 -> 何のための学校?まちづくり?大学に行かせたい?

西村さん:今の子供は私達の知らない仕事に付いているだろう

-> 入試はどうかわっていくだろう。学力だろうか。求められる人材像は?
 -> 大都市と田舎で働く人材層が近づいていくのでは?
 -> 入試も変わっていくのではないだろうか?

-> 海士町の地域想像コースをやってみて、どういう人材が現れるかはわからないのでは?
 -> 海士町すらも、最初は「勉強を教えてくれ」「いい大学にいかせてくれ」だった。

私立化する気はなかった?

豊田さん: 公教育をよくする事にこだわりたかった。
 -> 私立はお金を払えばいくらでもいい先生よんでやれる
 -> お金がなくても同じように素晴らしい教育を

公立校を変えるには?

仕組みを壊して作り変えるのか?

豊田さん: 壊すよりも結果を出す事に執念は燃やしていた。
-> 公教育の方が地域の人の協力を得やすい。地域の未来を考えるには必要。

名古屋のエリート教育学校の話し(経済界が威信をかけて)
-> 外交官は作れても、地域の担い手は作れない

宮崎の中高一貫校(宮崎が威信をかけて)
-> エリート校を山奥に作っただけで、その村の人は 240 人中 6 人しかいない。。
-> その地域の未来の担い手は少ない

今は県立をやめようかと思ってる
-> 県立は管理職の権限を県がもっていてうざい
-> なので、市町村立か国立にできないか?
-> 島根大学と共同でやろうとしてる

その他には、海士町は町長のパワーで国からの資金も入っていてサステナブルではないのでは? という質問も出ていました。これに関しては実際課題だということらしい。

最後は町長の話で締め。

所感とか

ちょうど神山では、中学校の統廃合が決まって、ついに中学校が1つになることが決まった矢先だったので、(もちろんそれを狙っての人選でもあったののだろうけど)タイムリーで考えやすいお題だったと思う。

一学年何人を割ったら廃校になるとか、全然しらない事だったし、神山では昔から中学校ぐらいからは下宿したり寮に入ったりが普通だったと聞いて、自分が住んでいた場所は恵まれていたのだなぁとしみじみ。(高校も自転車で行けるレベルだった)

既に自分が住んでいる場所から一番近い小学校は廃校になっているので、自分の子供が小学校に入る時には、車かスクールバス(があれば)を使うしかない。確かに子供の教育とかを考えれば、「じゃあ、子供が小学校に入るタイミングで、町に移住しよう」となるのはごくごく自然な発想な気がする。

結構そういう意味では、神山は過疎のステージがだいぶ進みきっている感じがしなくも無い。

で、じゃあ、どうしますかってお題ではあったので、興味深いテーマだった。

求められる人材と、そのための教育に力を入れること

パネルの神山に関する話の中で「まちづくりのための教育機関」としての学校を作ればみたいな話が出ていた。教育ではなく、仕事に目を向けても地方というか田舎で仕事をするためには、ある程度ユニークな事であったりニッチな事であったりが有利なのだと思う。(どれぐらいの範囲でユニークなのかはさておき。)

じゃあ、教育も「そこでしか学べない」とか「未来の日本の最前線で学べる」とかは、「決してマジョリティではないけど、確かに存在する層」に向けてはいいメッセージだし、海士町のように地域外から生徒が集まる可能性だってあると思う。

すごく個人的には、人の流動性がある地域でもいいとは思う。一生定住が人口増の絶対解では無いと思うし、教育を受けさせたい間だけ、家族ごと移住してくれるだけでもいいのではと思ったりもする。逆に言えば、代わりに、神山で生まれているが都会の大学に出て行く人はまあ止められないし、停める理由も無いよなぁと。

海士町はそこで「高校という出口をおさえる」みたいな取り組みまで見通していて、「地域の担い手」が残ること、戻ってくれることまで含んでいるというのは面白いなぁと思う。

そして、いろいろとロジカルな内容も出てくる中で最後が「郷土愛」「ふるさと教育」に行き着いていくというのも、また1つ興味深い内容だった。

ふるさと教育って何?

町長も「ふるさと教育が大事」と言っていたが、、一体それは何なのだと。

島根県:ふるさと教育とは(トップ / 子育て・教育 / 教育・学習 / 生涯学習・社会教育 / ふるさと教育推進事業)

  • 地域
    • 地域住民のふるさとへの理解促進
    • 地域を支える次世代の育成
  • 学校
    • ふるさとへの愛着や誇りの醸成
    • 地域に貢献しようとする意欲の喚起

島根県からの引用は上記。実際どんな事をやっているのかは、徳島の上勝がけっこうレポートをあげてくれている。

e-school.e-tokushima.or.jp

低学年のうちは、見学や、野菜やカカシを作ったりという感じだが、高学年になるにつれて、実際にふるさとをどうしていくかというのを考えていく事もやっていくらしい。なるほどー、って、たぶん自分もやっているんだろうけど全く記憶に無いです。。

実際私が小さかった頃は、学力全ての時代でしたし、私も進学校に進んで大学に行くしか無いと思っていたので、ふるさと教育なんかなんにも残らなかったのかもしれません。
今回の話にもあったように、今後必要になる人材が変わっていったり、地域の担い手の重要性が高まるに連れて、教育も変わっていき、こういうふるさと教育のあり方、やり方も変わっていくのかなぁと。まあ、この辺は定量化ができなから難しいですよねぇ、、実際私も東京に出て初めて「徳島良かったんだなぁ」と気づいたりしたし、やっぱり人それぞれに志向性は違うし。

それでも、例えば自分が住んでいた地域への愛着があるかって言ったら違うんだよなぁと思ったりで、ますます「効果的なふるさと教育」へのイメージが沸かなかったであった。

自分と神山町とのポジションに関して

この集いは地元の人もたくさん来ていて、ポイントポイントでディスカッションの時間があったりもしたのですが、正直あまりこのテーマで話せる事はありませんでした。。(なんか、世間話しかしなかった。)

神山で教育を受けた事があるわけでもなく、まだ自分の子供を教育に送り出すのは先というのもあり、このテーマへの危機感がまだ足りていないのだろうなと思います。

加えて言えば、まだ「町としての神山」と捉えられてはいないのだなと。まだどこか、東京のアパートに住んでいる時と同じような感覚が残っているのだろうなと思いつつ、少しずつ変わっていければと思ったりしました。