「スタンフォード式 疲れない体」の 2 章を読んだ
疲労の解消にフォーカスした究極の「対症療法」
日本の長時間労働と睡眠時間の少なさをデータから。東京の平均の平日睡眠時間が 5.59 時間って、少なすぎないかと思うが通勤とか考えるとやむおえないんだろうか。
週末の寝溜めでは疲れが取れないことが分かっており、休日も家でじっとしているだけだと、疲れはとれないどころか、むしろ増えるらしい。増えるのか。
人間の体は左右対称ではない
心臓の位置が中央でないのを代表に、各臓器の配置も左右に分かれている。また、横隔膜も肝臓の影響で右側が大きくなっている。
つまり、人間ははじめから左右で違っているため長年放っておけばボディ・バランスは崩れ、ベストポジションではなくなるのは当然のこと。そして、「疲れた体」に近づいていく。
疲労をリセットする「動的リカバリー」メソッド
疲れの現象の一つに体の硬化があるが、それを「伸び」では解消できない。一瞬気持ちいいぐらい。
体の硬化は「疲労の結果」であり、原因は「体に妙な癖がついていること」であるらしい。変な癖が付くと、体の動かし方が妙になり、可動域が狭くなっていく。
こうして、体のバランスが崩れていくと、疲れは溜まり、「疲れやすく、疲れが取れない体」が増強されていく。
IAP 呼吸法は、この疲れの原因となる「中枢神経と体のズレ」を整えて癖をリセットするようなアプローチであるが、「習慣にすることであらかじめ疲れにくい体を作っておき、それをキープする」という予防法的意味あいが強い。
動的回復法
IAP 呼吸法とは違って、「今感じている疲れ」を対症療法的に素早く解消する手段として筆者が導入しているらしい。
簡単には、体を動かして回復を図る方法。「体の変な癖」を解消するべく中枢神経に働きかけつつ、疲労回復によいとされる「軽度の有酸素運動」を行うことで、「体の疲れ」も「体の変な癖」も一緒に解消するというアプローチらしい。
疲れたからと何もせずに寝るよりも、体を軽く動かした方が、血液の流れが促進されて、脳と筋肉にたくさん酸素を送ることができ、疲労物質の滞留を防ぐことができる。これは、いつも逆のことやってしまっているな。運動どころかご飯も食べずに寝るとか。
この背景として、脳(中枢神経)はそもそも「体を移動させる」ためにできていて、原始時代からその構造はあまり変わっていないらしい。つまり、人は動き続けているのが本来の姿。
一方でデスクワークなんかをしていると、忙しくなるほど逆にどんどん動かなくなっていく。
軽めの有酸素運動
「ゆっくり走る」「泳ぐ」を 20-30 分程度することで、血行がよくなり筋肉のこりがほぐれていく。自律神経やホルモンのバランスも徐々に整い始める。RingFit よりは Fit Boxing の方が向いていそうだなぁ。
加えて、「疲れているのに眠れない」というのは、ストレスによって覚醒モードの交感神経が優位になっていることも一因らしく、そんな場合にも、軽い有酸素運動で汗をかき、交感神経をさらに活発にすれば、その後ぐっと下がって副交感神経優位のリラックスモードになれるらしい。
体を2回リセット
軽い有酸素運動の前後にリセット法を加えるといいらしい。それが、「体の癖の矯正」と「疲労回復効果」を高めることに繋がるようだ。
前に行う「ビフォーリセット」では、中枢神経を刺激し、体の癖をやわらげる効果を。
後に行う「アフターリセット」では、運動で収縮した筋肉を緊張状態からほぐしていく効果を。また、リラックス効果により、副交感神経への交替を促していきます。
会社から帰って時間のない人は、このビフォー・アフターリセットと間に IAP 呼吸法を入れるだけでも OK らしい。
ビフォーリセットとアフターリセットの方法については書籍の方で図解されているのでそちらを参照。
アフターリセットの方は RingFit のスタティックストレッチっぽい。
肩こり・腰痛・目の疲れ、部分疲れを即、解消する「超・対症療法」
「肩がだるい」「座りっぱなしで足が重い」などは抱えきれなくなった疲れが、そのときの状況によって肩や腰、眼などに現れる「部位疲れ」の症状。
座りっぱなしの下半身疲労は特に多く見られる。
「お尻の筋肉は体のエンジン」と捉えられるほど、お尻の筋肉は体を支え下半身を安定させる大きな筋肉。ここを鍛えることは、あらゆる競技のアスリートの基本らしい。
一方で座りっぱなしというのは、まさにこのお尻の筋肉を一切使わないという状態。
Sitting kills you
日本の成人は平均で 1 日 7 時間も座っているらしい。これは世界一。まあ、オフィスの雰囲気によっては休憩を自由に取れるスペースも無かったりで、ひたすら座って、ひどければ昼食もデスクで食べるとかありえるの考えれば 7 時間ぐらい座ってそう。。
座ってばかりだと、血流ばかりか代謝も悪くなり、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病のリスクも高まるらしい。怖い。
また、3 時間以上座っていると、記憶力低下や注意散漫おtいった弊害が起こる可能性があり、生産性が上がるとはまったく正反対。
リセットの方法は書籍の方で図解されています。
肩こり
肩こりは肩甲骨のトラブルが原因で症状が方の筋肉にでている状態。つまりアプローチすべきは肩周りの筋肉ではなく、背中の肩甲骨。
パソコン作業をしていると、胸の筋肉が収縮する姿勢になりやすい、そうなると背中が引っ張られ肩甲骨が開き、背中の筋肉がぴんと伸びた状態になってしまい、体のバランスも崩れ肩周りの筋肉が緊張している状態が続く。それが肩こりを感じる原因。
よって、開いてしまった肩甲骨を寄せることが、肩こりの解消につながる。
具体的な解消方法は書籍の方で図解。
腰痛
腰の痛みの原因は様々。
例えば、座ってばかりいると、太ももの裏側の筋肉「ハムストリング」が硬くなり、それに引っ張られ形で骨盤が傾き、背骨に沿ってついていて体のバランスに大きく関係する「脊柱起立筋」が骨盤に引っ張られて伸びてしまい、腰と体の中心がどんどん歪み、腰の負担が増していく。
そもそも腰は、あらゆる歪みのしわ寄せをカバーするポジションであり、そこに痛みが出るのは全身のバランスが崩れかねない状態。
IAP 呼吸法で腹圧を高めることで脊柱が安定するので、ダイレクトに腰に効く。横隔膜はほとんどの筋肉と連動するため、IAP 呼吸法で横隔膜を動かすと固まった腰回りの筋肉にも刺激を与えることができる。
腰を痛めた場合、たいてい筋肉がけいれんしている硬直しているので、痛いからといってそのままにせず、IAP 呼吸法で痛みを抑えたら、あえて体を動かすのも大事。 まずはゆっくり歩いてみるなどし、無理の無い範囲で体を動かすことが早期回復への近道。
眼精疲労
目が疲れている人は、眼輪筋の周りの筋膜が固まっているケースが大半なので、そこをほぐす。
ほぐし方は書籍の方で以下略。
アスリートが実践するダメージ療法「アイス・ヒート」メソッド
ケガはもちろん、ケガ以外のダメージにも応用できる回復法。仕事から帰ってきてクタクタという時にも。
「アイス・ヒート」メソッド
簡単には、痛みが発生した箇所を「冷やして、温める」ということ。
ケガなどの急性のトラブル時には炎症を抑えるためにアイシングする、そしてダメージを負ってある程度時間が経過し、自然治癒のプロセスが始まれば温めを行う。温めることで、血流を促進し、回復を早めるのが狙い。
ケガでなくとも、歩きすぎ、走りすぎによる「疲れた体」はケガより軽いけれど炎症は起こしている状態なので効果がある。
体の調節機能に即した「48時間回復法」
- ケガをした直後 ~ 24 時間 (アイスの時間)
ケガをしてから 24 時間後くらいまでが痛みのピーク。この間はコールドスプレーや冷湿布などでしっかりと冷やすことに注力。
- 24 時間経過後 ~ 48 時間 (ヒートの時間)
24 時間後ぐらいから、体は自然治癒のプロセスに入る。もっと早いのかと思ってた。
血液によって、回復に必要な栄養やホルモンを運んだり、傷ついた部分の老廃物をせっせと運び出したりし、36~48時間経過すると痛みはかなりやわらいでくる。
そこで、痛みのピークを超えた 24 時間後を眼安に、冷やすのをやめて温湿布や入浴、サポーターなどで「温め」モードに切り替える。
重要なことは アイスからヒートへ切り替える際に、正確に時間を計ること。24 時間後とは、ケガをした翌日の目覚めた時間ではない。
また、アイシングは痛みを麻痺させる効果もあるので、あえて少し動かして回復を促す場合もある。
疲れの場合は
例えば歩き疲れならば、帰宅後すぐに 15 分程アイシングの時間をとり、皮膚の温かさが戻ったら、40度前後で 10分程入浴する。ケガとは違うのえ 24 時間待つ必要はないらしい。
アイシングには冷凍食品のコーンやグリーンピースが巻きやすくていいらしい。袋のまま巻きつけてラップででも固定すると良いようだ。
超リカバリー法「回復浴」の効果
「冷水」と「温水」に交互に浸かる「交互浴」。
スタンフォードでやっている方法はさておき、自宅で行うなら以下の手順。
準備
- . 350ml ペットボトルに水を用意する
- . バスタブに 37-8 度ぐらいのお湯をはる。半身浴ができるぐらいでいい。
実践
- 水を半量飲む
- 冷水シャワーを 1 分浴びる
- 「バスタブに 30 秒、冷水シャワー 30 秒」の 1 分間 1 セットの交互浴を約 10 回繰り返す
- 冷水シャワーを 1 分浴びる
- 残った水を飲む
注意として、冷水シャワーといっても、10-15 度なので、冷たくなりすぎないように。加えて、バスタブのお湯も熱すぎると交感神経優位になってしまうので注意。
究極の修復レベルで眠る「睡眠回復術」
1 日 5 時間しか寝ない場合の弊害が淡々と書かれている。アスリート以外にも関係あることだと、風邪も引きやすくなるし、糖分の代謝が下がることで太りやすくなる。
ウサイン・ボルトやロジャー・フェデラーは 12 時間前後の睡眠を取るらしい。そして、睡眠時間が長ければ長いほど、選手としてのキャリアが長いという研究結果もあるらしい。
スタンフォードでは、最低 7 時間の睡眠を指導しているらしい。これは見習いたい。
また、基礎情報として以下も伝えているらしい。
- 「夜ふかし」も「早寝」もしない (早寝も眠りづらいだけ)
- 「週末」に体内時計を狂わせない (いつもより長く寝るとしても 1, 2 時間まで)
- 「ベッドに入る90分前」までに入力(就寝直前の交互浴は避けること。交互浴だけではなく、バスタブに浸かるなら 90 分前まで。直前ならシャワーで。)
- 就寝前に「お腹を膨らませる」(IAP 呼吸法)
昼寝で疲れは回復しない
らしいです。