伸びる子の法則の 5 章を読んだ

伸びる子になる頭の鍛え方

今も昔も「読む」ことが一番大事

すべては文章を読むことから始まる。落ち着いて本を読めるようになる、読む癖がつくことが大切。

読む・聞く・書くが基本だとすれば、最初の読むで躓くと、人の話の理解が難しかったりする。

読書量が減った理由の一つに自宅学習の重要性が見落とされている点がある。学校で、塾で勉強しているから家では勉強させなくてもいいだろうという傾向。塾では自分のペースで問題を読み解いたり、頭を整理する時間が無い。

自宅が勉強する雰囲気ではないケースも多い。夜寝るまでテレビがついていては子どもも勉強しようとは思わない。
一方で学校や塾で習うのとは異なるジャンルの知識を本から得ることは全く違う面白さがあり、それがないと勉強自体を嫌いになるかもしれない。
家で勉強しているのをみかけたら、応援し評価してあげよう。

子どもには、ストレスは禁物

多くの子どもはストレス下に置かれると、勉強の効率が低下する。だが、順位を張り出したり、塾によってはクラスのランク分けをして、点数によって振り分けたりということをする。なぜだろうか。

それは一部のやる気のある成績優秀者だけは、ストレス下において、逆に発奮し学習効率をあげてくる。なぜなら彼らはすでに成功体験をもっていることが多いから。

子どもはナイーブな存在なので、どういう立場・心理状態かをよく見極めて接しよう。やる気がでているようならそれを阻害しないように、不安に陥っているようなら競争に放り込むのではなくケアをした上で小さな成功体験から積み重ねさせよう。

成功体験を積んで自身を植え付けることができれば、どんどん伸びていく。 成功体験が多ければ、ストレスがかかっても成功をイメージし、乗り越えることができるようになる。

できる子を育てた親は「問いかけ」を重視している

賢い勉強のやり方を経験的に知っている親は、小さい頃から意識的に子供と接し、会話を通じて、本人の能力を向上させている可能性がある。

子どもはある時期から「なぜ?」「どうして?」を連発するするようになるが、このタイミングが、子どもの能力を伸ばす重要な時期になる。

親側も、日常会話の中等で、「どうしてそう考えたの?」「なぜそう思ったの?」などのオープンクエスチョンしていくといい。

記憶の臨界期

10歳前後までは「意味記憶」が発達している、かんたんには丸暗記、受動的な記憶が発達する。驚くほど多くのことを覚えているのもこの時期。

それ以降は「エピソード記憶」に移行していく。体験や意味記憶で覚えた知識の組み合わせで論理立てて覚える記憶。能動的な記憶に移行する。

エピソード記憶は中学生ぐらいの時期に完成し、そこから意味記憶は衰退していく。よって、意味が通じなかったり、論理が破綻するものは覚えにくくなる。

「なぜそうなるの?」という質問はエピソード記憶の始まりのサイン。そこで、「後でね」と邪魔者扱いするのではなく、チャンスだと思い積極的に接していきましょう。

まず知識を詰め込んであげる

6 歳ぐらいまでに日本語・英語の両方に触れていた人は、日本語でも英語でも考えることができると言われている。なので、幼児のうちから英語教育をさせる親が増えているが、両方が中途半端になり、それぞれの言語で混乱してしまうこともあるので注意。

意味記憶」の時期に、多くの知識を集積させることで、その後複雑な思考に結びつけていくことができる。

知識を植え付けるのに最もいいのは、本を読ませること。8 歳ぐらいまでは興味のある本をどんどん読ませてあげたいですね。

中学に入った途端に成績を落とす子がいる

10 歳前後までは優秀な成績だったのに、中学校に入った途端に成績が落ちていく子がいる。ノートを丸暗記していた子によくみられる。

「ノートを丸暗記すればいい点数が取れる」という成功体験を積み上げてきてしまったがために、論理的な思考が必要なことにうまく切り替えられていない。

小学校 5 年生ぐらいからは、「これは、こういう理由でこうなんだ」ということを、しっかり関連付け、腑に落ちるように育てていくことが大事。

脳に集積された情報は、新しい情報と連結しながら記憶が積み上がっていく。脳は今まである記憶と関係性が深いもの、内容的に近いものをひとまとまりにして記憶していく。

頭の中のインデックスを整理し、増やしていければ問題に直面した時もより正解に近い道を選べる可能性がある。

出来事の奥にある「動機」を学ぶ

子どもの学習において、知的好奇心はその源になる。学校の内容でも他の内容でも、気になったことは積極的に調べさせるといい。大人でも分からない質問の場合は「知らない」で済ませるのではなく、「私にもわからない」とはっきり伝えた上で「この本には書いてあるかも」といったアドバイスなどをしてあげると良さそう。

「知的好奇心には価値がある」という認識を子どもに持ってもらおう。

すべての勉強は「なぜ?」を考えることと言ってもいい。表面的に物事をみるのではなく、「どうしてそうなったのか?」という動機を知ることで、物事の本質を捉えることができるようになる。

物事の動機を考えることは、コミュニーケーション能力を鍛えることにも直結する。「この人は何を伝えたいのか?」「この人の発言の背景には何があるんだろうか?」と考えながら会話することで、同じ人の話、同じ本を読んでも得られる情報の質と量が違ってくるはず。

ちょっと感想

娘はちょうど「なんで?」「どうして?」を連発してくる時期に入りつつある。しかも、大抵の場合一つ回答を返すと「じゃあ、それはどうして?」と深堀してくることが多く、こちらも回答できないことがとても多い。まだ4 歳なので、深堀りしくる内容といってもそもそも「言葉」がどういうものかというものがほとんど(例えば「『現れる』ってどういうこと?」とか)。
本章を読んで、改めて「回答していくぞ!」という気持ちを持つことができた。

中学に入って成績を落とす子の部分は結構自分が当てはまる。まさに自分は意味記憶で小さい頃を乗り切ってきた人間で、それが中学卒業するまで続いたので、高2ぐらいでがくっと躓いた気がする。あんまり覚えてないが、「これはもう覚えきれない」という感覚があったと思う。

一方で、今の仕事をし始めてからは、一段でいいので深い理解と、いつ使うか分からないけど脳内インデックスだけは広げていくのを意識的にやっていたので、それは勉強の方法としては、ちゃんと小さい頃の失敗を生かして切り替えられたんだなと思った。

高校も大学も面白いと感じられなかったが、プログラミングは面白いと思えた。ただ、それだけなのかもしれない。