初めての種の収穫

収穫と呼んでいいのか分からないが、初めてレタスから種を採った。

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えんどうの種は、春に落ちたものが夏場にまた生えてきて、7 月が雨続きで寒かったせいかなぜか生育し、食べられるほどの実はつけなかったものの、種が採れたのでついでに。

レタスの種はこんな感じでついている。たんぽぽみたいになって、さらにそれがしぼんで、カラカラになったら取り時らしい。

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このレタスはレッドオークで、他にグリーンオークと、ロメインレタスもあるのでまとめて採れるとこの秋はミックスレタスの種を自分の種でいけることになる。

なぜ種を採ろうと思ったか

単純に、このコミュニティ農園の管理者の方の意向が大きい。

この農園では「いろんな状況でも作物を育てていける人を育てたい」というのが目的の一部にある。ここでいう「いろんな状況」は、もちろん自然災害等も含まれるが、今の COVID-19 みたいな状況もその一つだ。

なので、「水がいつでも手に入るかは分からない」「肥料がいつでも手に入るかはわからない」などの状況も想定されていて、完全無肥料までいかないが、極力肥料は使わず、たしかに大きな野菜をかんたんには作れないが、時間をかけてでも野菜を作っていける状態というのを重視する。
水に関しても、当然通常は水を使うが、この 8 月はかなり日照りになり山の湧き水が枯渇したのだが、水道を一部使いつつも「マルチをして地面を保湿する」など、水を使う量を減らす手法なども取り入れていった。

そして、種である。そう COVID-19 の影響でまさにこの春、種の供給が一時止まったのである。一時というか、今でも一部の種は無かったりするらしい。

この農園では、ほとんどを「固定種」と呼ばれる種を利用しているため、スーパーやダイソーで買える種ではない。(そもそもスーパーやダイソーの種はたまに日向に置いてあったりするので、あまりオススメはしないらしい)
もちろん、F1種も利用しない訳ではなく、ケースバイケースである。一応断っておくと、管理者の方はF1種を嫌っている訳ではなく、特に彼らの本業の農業の方ではメリット/デメリットを考えつつ使い分けており、単に我々貸し農園のユーザーには、種を採ることも覚えて欲しいという意図がある。

で、その固定種を買っているメーカーからの供給が停止し、この春の種まきは、管理者の方が前年に採った種や、残っている種などを中心に利用し乗り切ったという経緯がある。

そういう実体験もあり、今期は採れそうなものは種を採ってみようという気持ちになり、その初めてがレタスになった。

種の保存の豆知識

種はあまり高温にさらしておくと、勘違いして芽がでてしまうこともある。

よって、種を採ったら乾燥させ、冷蔵庫に入れておくのがいい。種によっては、複数年保存できるものもある。

これは買った種も同様で、冷蔵庫までいかないまでも冷暗所に保存し、高温多湿の状態に短時間でも放置しない方がいい。農園では、外での作業中は小さな発泡スチロールに種袋を入れておき、必ず日陰に置いているので、それぐらいで大丈夫だと思う。

伸びる子の法則 8, 9 章を読んだ

ここのところ勤務時間調整で一日の勤務時間が長かったのでだいぶ間が空いてしまった。この本もやっと読了。

8, 9 章は著者の所属する会社の紹介っぽい内容が多いので足早に。

使える!実践的学習法

系統別学習法で一気に覚える

どんな科目にしろ、系統に分けてひとまとめにしてみていくことで、俯瞰的に眺めることができ、かつその中での法則性も見えやすくなるとのこと。

この本では入試のことに焦点が置かれているものの「教科書や参考書は分厚くて勉強しなくてはいけないことがとてつもなく多そうに見えますが、入試のためと割り切るならば実は不要な部分も多いのです」というのは、自分が従事するソフトウェアプログラミング開発のことを振り返っても似たようなことが言えるんじゃないかと思う。

実際、ソフトウェアプログラミングの書籍はだいたい分厚いけど、いきなり全部がわかっている必要は無いし、それこそ仕様が移り変わりやすい部分もあるので、基本となる部分と、都度調べるでいいようなところで分けて考えれば、初期の学習コストは抑えられるのかもしれない。

問題と解答をあわせて活用する

問題を解くときのプロセスとして重要なのは、「問題を認識する」「問題を解くまでのプロセスをイメージする」らしい。(この後は、問題を整理し、解法を導き、実際解くが続く)

この本では、短時間で集中して勉強する人のために、問題の解き方までを考えて解答を見るという方法を勧めている。そして、誤っていた場合は解法を復習する。

また仕事の話になってしまうが、ソフトウェアの仕事も、(UX の部分とかはある程度終わっているとして)ソフトウェアプログラマが作業に着手するにあたり、「実現したい仕様は何をするためのものかの認識」と「それを実現するために必要な設計イメージ(モデリングや middleware の利用についてなど)」ができれば、実際の実装方法の詳細や、それこそ書いていく作業というのは、もちろん難しさはある(入試の問題も、プロセスイメージまでできても、実際に解いていくと時間がかかるのと同じで)が、その前段で本質的に間違えていなければ、だいたい行き着きたい実装にたどり着けることが多い。(もちろん、設計がしっかりしていれば、誰が書いても同じというつもりはない)

一点豪華主義でやる気を引き出す

いきなり、全ての教科の点数をあげようとするのではなく、一つだけ大幅に点数を引き上げるようにしてみて、できるという認識を持ってもらう。

受験突破のための戦略を立てる

志望校が決まれば、入試の傾向や、配点などもわかってくる。

その中で、入試科目に「完全解答を目指すもの」「半分解答を目指すもの」「解ければラッキー」に色分けできれば勉強方法もより具体的になり、目処もつけやすくなる。

戦略を持つというのは、自分のやる気を持続させるためにも大事。(全部は勉強したくない)

読み終わって

最後の 9 章に関しては著者の塾の紹介っぽい内容だったので、ここでは割愛。(「勉強してないよ」という友達の言葉は真に受けてはいけないというのは、実際そういうのあるんだなぁと。あと、休み時間に勉強する雰囲気かどうかってのは、自分もそういう雰囲気の場所にいたことがないが、先生がすげぇ厳しいケースにおいて、その授業の前の休み時間だけは全員が必死で予習してたのは記憶にある)

娘も 5 歳が目前という状態で、小学校も見えてきたなという感じ。

「勉強しなさい」とかいう親にはなりたくないなと思いながらも、この本にあるような自然と勉強に関与したり、支えられるような存在でありたいと思う。

これは 2007 年の本だが、13 年経ってオンラインでの勉強も盛んな時代に、どういう変化があるのかという本もあれば目を通してみたい。

伸びる子の法則 6, 7 章を読んだ

子どものための本を読んでるはずだが、もはや仕事のやり方とか、仕事というか人生でもっと成果を出すための方法に見えてきた。

社会人って、あんまり振り返りしませんよね。

伸びる子はここが違う

できる子は「学び方」を知っている

スポーツができる人は、きちんと目標に向かって技能を身につけるという訓練に慣れている。また、頭と身体が連動できるというのも社会に出ての強みになりうる。(スポーツ選手の例として)

一流のスポーツ選手の中には小さなころから、目標から逆算し、今何をすべきかを考えている人がいる。

具体的な目標設定とそこから分解される小さな目標は、自分で掲げたことでモチベーションの源になり、一つ一つを「どういう勉強を、どういう練習をすればいいか」と考え、達成していける。

15ヶ国語を使いこなすための秘策

多くの言語を操る人は、普通の人が言語を学ぶのより一段深い、言語の「理解の仕方」を知っている可能性がある。

仮に最初に英語を努力の末に獲得した場合、そこで得た「理解の仕方」があれば、次に他の言語を学ぶ時にそれを活用し、より短い期間で獲得できる。
言語のしくみはそれぞれで異なるが、「理解の仕方」を発見していれば、多くの言語を学ぶ際にそれを活用できる。

手続き記憶

自転車の乗り方や、楽器の弾き方など、体で覚えている記憶のことであり、一旦覚えてしまえば、いちいち思い出さずとも自然と体を動かしてくれるようなもの。
将棋のプロが何千という棋譜を覚えていられるのも、これが関連している可能性がある。

「理解の仕方」を発見したとき、それを「手続き記憶」として脳内に保存できれば、同じようなものを新たに学習するとき、1からではなくその「理解の仕方」を活用し、さらに「手続き記憶」を強化していける。

「目からうろこ」の経験をする

数学を勉強しているとして、目の前の問題を解こうとしながらも、無意識のうちに問題の解法よりも複雑で奥深い数学の仕組みを思考している人がいる。それはつまり「理解の仕方」を発見しようとしている。
そういうケースでは、最初は伸びにくいがある時にその仕組が理解できれば、似たような問題はどんどん解けるようになる。

そういう積み重ねからのひらめきのような体験で「勉強が楽しい」と思えるようになればすばらしい。

五感を駆使して記憶力を高める

学習における基本とは「見る」「聞く」「書く」「話す」の 4 つ。

これらを活用することで、記憶の定着に活かせる。

もっとも効果的なのは「話す」。学習した内容を人に話すことで、覚えた知識が脳に刻まれていく。
また、相手に理解できるように話すということは、自分の中でも知識の整理につながり確実な理解として記憶することもできる。
口で説明するという「経験」を通じても、より強固に記憶に残しやすくなる。

同じことを複数回に分けて勉強する

人間の脳は生命に関わることはなかなか忘れないようにできている。
また、頭の中に同じ情報を何度も繰り返し入れていくと、「これは生命に関わる大切な情報なのだ」と脳が勘違いする可能性がある。

ある実験の結果、一度の記憶よりも、何度も記憶させることでその忘却速度を遅くすることができる。

よって、学習計画は一点集中よりも、勉強時間を分散させることも効果的になる。(同じことを勉強するのを分散させるということ)

よく寝ることで記憶が整理される

レム睡眠とノンレム睡眠で体と脳をスイッチさせながら休ませている。その中で記憶の分類・整理・保存も行われる。しっかり寝よう。

「なぜ自分は間違えたのか」を振り返って考える

勉強しているのに結果がでない場合、「何が分かっていないのか」を客観的に理解できていない可能性がある。「メタ認知力」が鍛えられていない。

例えば、ある問題で授業で習った一つの解き方が浮かんだ場合、「他に解き方はないか?」「解き方に穴はないか?」「授業とは異なる部分はなにか?」というふうに、客観的に考えるプロセス = 「メタ認知」を厭わないと理解が深まる。

例えばテストを受けたあと、その点数よりも「どこを間違えたのか」を振り返ることが大事。

特に数学の解法は一つや二つではない。多くの解き方を学ぶ中で数学の美しさに触れられるとよいだろう。

「勉強しすぎても脳は疲れない?」

らしい。目や肩が疲れたか、単に飽きたか。

伸びる子はちょっとした工夫を大切にする

勉強机は「勉強する場所」と決めてしまう

集中できる環境を用意することで、条件反射や習慣付けを行う。

  • マンガやゲームは勉強机以外の場所で
  • 部屋は多少暗くても手元は明るく
  • 時間を決めて休憩を
  • 温度・湿度は適切にしないと集中できない
  • 音楽を聴きながらは悪くない。気が散らないものを探す

一日の生活リズムをパターン化させよう

家族が協力して、日々の生活リズムを一定に保つようにしよう。

短くても学習を取り込み、パターン化した生活リズムが持たせると、勉強の習慣も自然に身についていく。

ルーズな生活は、学習意欲の減退だけでなく、心身のバランスを崩してしまう。

適度に休息をとりながら勉強する

生活リズムができれば、その中に細かく勉強のルールを加えていくといい。

夕食の前には計算問題を、お風呂では英語の歌を、寝る前には英単語を覚えよう、などなんでもいい。短い時間を勉強に使うことで、「どこでも、短い時間でもできる」と思ってもらう。

そのためには、そこに面倒な準備なしでスムーズに入れることも大事。夕食前に計算問題をするなら、食卓のテーブルに予め置いておく、寝る前に単語を覚えるなら、ベッドの横に置いておくなど。

持続した勉強をするには、食事量は睡眠(徹夜はしない)、糖分の補給なども大事。適度に心身に休息を取りながら続けよう。

学習プランニングも逆算で

仕事も同じだが、目標から逆算した計画は、その範囲が広かったとしても間に合わせることに役立つ。

PDCA の考え方も学習に役に立つよ。

伸びる子の法則の 5 章を読んだ

伸びる子になる頭の鍛え方

今も昔も「読む」ことが一番大事

すべては文章を読むことから始まる。落ち着いて本を読めるようになる、読む癖がつくことが大切。

読む・聞く・書くが基本だとすれば、最初の読むで躓くと、人の話の理解が難しかったりする。

読書量が減った理由の一つに自宅学習の重要性が見落とされている点がある。学校で、塾で勉強しているから家では勉強させなくてもいいだろうという傾向。塾では自分のペースで問題を読み解いたり、頭を整理する時間が無い。

自宅が勉強する雰囲気ではないケースも多い。夜寝るまでテレビがついていては子どもも勉強しようとは思わない。
一方で学校や塾で習うのとは異なるジャンルの知識を本から得ることは全く違う面白さがあり、それがないと勉強自体を嫌いになるかもしれない。
家で勉強しているのをみかけたら、応援し評価してあげよう。

子どもには、ストレスは禁物

多くの子どもはストレス下に置かれると、勉強の効率が低下する。だが、順位を張り出したり、塾によってはクラスのランク分けをして、点数によって振り分けたりということをする。なぜだろうか。

それは一部のやる気のある成績優秀者だけは、ストレス下において、逆に発奮し学習効率をあげてくる。なぜなら彼らはすでに成功体験をもっていることが多いから。

子どもはナイーブな存在なので、どういう立場・心理状態かをよく見極めて接しよう。やる気がでているようならそれを阻害しないように、不安に陥っているようなら競争に放り込むのではなくケアをした上で小さな成功体験から積み重ねさせよう。

成功体験を積んで自身を植え付けることができれば、どんどん伸びていく。 成功体験が多ければ、ストレスがかかっても成功をイメージし、乗り越えることができるようになる。

できる子を育てた親は「問いかけ」を重視している

賢い勉強のやり方を経験的に知っている親は、小さい頃から意識的に子供と接し、会話を通じて、本人の能力を向上させている可能性がある。

子どもはある時期から「なぜ?」「どうして?」を連発するするようになるが、このタイミングが、子どもの能力を伸ばす重要な時期になる。

親側も、日常会話の中等で、「どうしてそう考えたの?」「なぜそう思ったの?」などのオープンクエスチョンしていくといい。

記憶の臨界期

10歳前後までは「意味記憶」が発達している、かんたんには丸暗記、受動的な記憶が発達する。驚くほど多くのことを覚えているのもこの時期。

それ以降は「エピソード記憶」に移行していく。体験や意味記憶で覚えた知識の組み合わせで論理立てて覚える記憶。能動的な記憶に移行する。

エピソード記憶は中学生ぐらいの時期に完成し、そこから意味記憶は衰退していく。よって、意味が通じなかったり、論理が破綻するものは覚えにくくなる。

「なぜそうなるの?」という質問はエピソード記憶の始まりのサイン。そこで、「後でね」と邪魔者扱いするのではなく、チャンスだと思い積極的に接していきましょう。

まず知識を詰め込んであげる

6 歳ぐらいまでに日本語・英語の両方に触れていた人は、日本語でも英語でも考えることができると言われている。なので、幼児のうちから英語教育をさせる親が増えているが、両方が中途半端になり、それぞれの言語で混乱してしまうこともあるので注意。

意味記憶」の時期に、多くの知識を集積させることで、その後複雑な思考に結びつけていくことができる。

知識を植え付けるのに最もいいのは、本を読ませること。8 歳ぐらいまでは興味のある本をどんどん読ませてあげたいですね。

中学に入った途端に成績を落とす子がいる

10 歳前後までは優秀な成績だったのに、中学校に入った途端に成績が落ちていく子がいる。ノートを丸暗記していた子によくみられる。

「ノートを丸暗記すればいい点数が取れる」という成功体験を積み上げてきてしまったがために、論理的な思考が必要なことにうまく切り替えられていない。

小学校 5 年生ぐらいからは、「これは、こういう理由でこうなんだ」ということを、しっかり関連付け、腑に落ちるように育てていくことが大事。

脳に集積された情報は、新しい情報と連結しながら記憶が積み上がっていく。脳は今まである記憶と関係性が深いもの、内容的に近いものをひとまとまりにして記憶していく。

頭の中のインデックスを整理し、増やしていければ問題に直面した時もより正解に近い道を選べる可能性がある。

出来事の奥にある「動機」を学ぶ

子どもの学習において、知的好奇心はその源になる。学校の内容でも他の内容でも、気になったことは積極的に調べさせるといい。大人でも分からない質問の場合は「知らない」で済ませるのではなく、「私にもわからない」とはっきり伝えた上で「この本には書いてあるかも」といったアドバイスなどをしてあげると良さそう。

「知的好奇心には価値がある」という認識を子どもに持ってもらおう。

すべての勉強は「なぜ?」を考えることと言ってもいい。表面的に物事をみるのではなく、「どうしてそうなったのか?」という動機を知ることで、物事の本質を捉えることができるようになる。

物事の動機を考えることは、コミュニーケーション能力を鍛えることにも直結する。「この人は何を伝えたいのか?」「この人の発言の背景には何があるんだろうか?」と考えながら会話することで、同じ人の話、同じ本を読んでも得られる情報の質と量が違ってくるはず。

ちょっと感想

娘はちょうど「なんで?」「どうして?」を連発してくる時期に入りつつある。しかも、大抵の場合一つ回答を返すと「じゃあ、それはどうして?」と深堀してくることが多く、こちらも回答できないことがとても多い。まだ4 歳なので、深堀りしくる内容といってもそもそも「言葉」がどういうものかというものがほとんど(例えば「『現れる』ってどういうこと?」とか)。
本章を読んで、改めて「回答していくぞ!」という気持ちを持つことができた。

中学に入って成績を落とす子の部分は結構自分が当てはまる。まさに自分は意味記憶で小さい頃を乗り切ってきた人間で、それが中学卒業するまで続いたので、高2ぐらいでがくっと躓いた気がする。あんまり覚えてないが、「これはもう覚えきれない」という感覚があったと思う。

一方で、今の仕事をし始めてからは、一段でいいので深い理解と、いつ使うか分からないけど脳内インデックスだけは広げていくのを意識的にやっていたので、それは勉強の方法としては、ちゃんと小さい頃の失敗を生かして切り替えられたんだなと思った。

高校も大学も面白いと感じられなかったが、プログラミングは面白いと思えた。ただ、それだけなのかもしれない。

伸びる子の法則の 3, 4 章を読んだ

読み進めているが、なぜ弟がこの本を手にとったかまだわからない。でも、10 年以上前の本だけど参考になる。

子どもの「やる気」を引き出す方法

大人と同じ目線で話す

勉強とは「問題を与えられ、それについて考え、考えた結果を伝達すること」の繰り返しです。これは仕事もまったく同じことが言えます。

学習することも真似ることから始まるのであれば、親がいろんなことに興味を持ち、それについての自分の考えはこうだと語ることが一つ大事かもしれない。

また、「子供だから簡単なことを話してあげよう」ではなく、同じ目線で話す。
子供が興味をもったことがあれば、親はもっと積極的に、内容や感想などを聞いてあげることで、伝える力が伸びていく。映画や本の感想を他人に魅力的に話すのは大人でも難しい。

学校であったことをそのまま尋ねても、子供は前提知識を話さなければいけないのが面倒くさくて喋りたがらないかもしれない。でも、それでもいろいろ質問して、説明してもらうといいかもしれない。

子どものがんばったことを、具体的に褒める

モチベーションを上げるには褒めることが大事、だがどう褒めるか。アメリカのある学校では、職員室に子供を褒める時のフレーズ集が 100 通り以上壁に貼ってあるそう。それぐらいしないと子どもは褒められている気にならない。

小さな目標設定をし、それに対して具体的に褒めてあげるといい。単に「上手」ではなく、工夫が見られた点や前回との差分など。

紙風船を膨らませるように子どものやる気を膨らませる

褒めることは大事だが、やみくもに褒めるだけではなく、喝をいれるときとのバランスが大事。

勉強もどうしても知識を蓄える基礎の時期がある。それはつまらないかもしれないけれど(つまり、つまらなくてもやるように仕向けていかなかければいけない)、少し分かってきてモチベーションが上がりそうなところで褒めてあげることで、学習意欲は驚くほどあがることがある。

一方で、つまずいてしまうときもあり、そこで褒めてもまったく学習意欲は上がらないので、うまくケアしてあげることが大事。

子どもの成長に合わせて課題を抽出する

成長スピードは一人ひとり違う。

同じ勉強をしていても、どこで課題を抱えているかは一人ひとり違う。どこが課題になっているのかを正確に把握してあげることが大事。

伸びる子の親になる

親自身が「学び」の努力を続けること

親がいろんなことに興味を持ち、知識を貪欲に身につけ、価値判断をする姿を見せれば、子どもは自然に真似をするようになる。

成長過程の中で、いろんな話をする、コミュニーケーションをする体験をすることで、論理力が鍛えられていく。

一方で必要以上に子どもの行動に口を出してしまい、何かする前に「やめなさい」と言ってしまうと、「しつけ」は厳しくされていても「覇気がない」という状態になり、意志や意欲が弱くなってしまう。

親自身が物事の判断基準をしっかり持つ

子どものしつけにおいて、父親、母親、どちらかの意見やしつけに対してもう一方が口をだしてはいけない。子どもはどちらを信用していいかわからなくなり判断基準が育たなくなる。

教師に対しても同じで、親が教師のことを悪く言ってしまうと、子どもも教師の言うことを聞かなくなる。まずは親自身が自身の言動についての影響を考えたり、判断基準をしっかり持つことが大事。

学びの基本には「敬意」がある

ものを教える・教わる関係で最も大切なことは、お互いに対する「敬意」であると考えています

関わる人達に敬意を払うというのは、学校生活においても、社会人生活でも同じこと。それを親が実践、そして教えているだろうか。

教師も親も「言葉の重み」をもっと自覚しよう

敬意は当然ながら、生徒から先生だけではなく、先生から生徒にも払われなければならない。

それがないから、暴力を振るったり、生徒へのセクハラなんていうことが起こる。ただ、早く生まれてきて、知識を早く得ただけでしかない。
「いじめはだめ」と言う教師が、生徒に対していじめを助長するような発言・行動をしてしまうなんてことも、敬意が無いから。(確かに、昔あったような給食を食べられない子を掃除の時間まで座らせて食べさせるとか、いじめの火種を先生が作っているようなものだった。)

言葉はいったん口に出したら簡単には引っ込められない。教師も親も子どもへの影響力を考えて発言することが大事。

判断の責任を子どもに押し付けない

学校や将来の進路といった大きな選択を子ども自身の判断に任せてしまっていないだろうか。特に中学受験のようなケースだと判断するのはまだ小学生。

もちろん「どこの学校にいきたい」「こういう仕事をしたい」という意志を持ってくれるのはすばらしいことだが、判断まで預けてしまうのは間違いではないだろうか。
例えば一緒にもっと選択肢を検討する。例えばシミュレーションをしてみる。

子どもに判断させるとき、親自身がその判断から逃避したいがためにそうしていないだろうか。

伸びる子の法則の 1, 2 章を読んだ

お盆休みに実家に居た時に、弟が処分してた本をもらってきた。弟は独身なので、仕事で子供のことを考える機会でもあったのだろうか。

フォントサイズも比較的大きく、200 ページもないくらい。

勉強は最良の投資

勉強のモチベーション

勉強して何の意味があるのか?大企業に入るため?入ったところでいい人生が送れるとも限らない。ニート的なことすらも家庭によっては許される。
「なぜ勉強するのか」は、なぜ働くのか、なぜ人は生きるのかといった問いと同じように親も考え、答えられるようになりたい。

「勉強すれば自分の可能性が広がる」これは実際そうだとは思うが、そのために勉強するというのも説明はしにくい気がする。

勉強が自信をつくる

勉強して知識を身につけ、自分の望む人生を送る。自分自身の人生の主人公になるのが、勉強することの目的ともいえるでしょう

もちろん勉強がすべてではないが、人生をドライブするのに知識が役に立つとは思う。

日本人の「お金儲けは悪いこと」という謎の風潮。不正で得たお金でお金持ちになっている人が多い、またはそういう人ばかり目につくからだろうか。一方で、経済のことを子供に教えないのはまた違う。

現代だとサラリーマンが多いこともあり、子供が職業感や将来のことを早い段階で考えるのは、ほっといても身につくことではない。

自分はどういう風に生きたいかを、近代の偉人から学ぶのもいい。

勉強は「自分はやれた」という自信を持つための道具になる。スポーツでもいいと思うが、勉強もそういう自信をつくるためのツールになる。

受験に失敗しても良い経験

受験勉強は社会人の練習だし、社会人になってからもその先の練習・実践の連続。受験でこけたぐらいはなんでもない、失敗したことを前向きに捉え、そこで得た経験などを親も一緒に考えてあげること。仮に受験に成功したとしても、レベルの高い学校に行き過ぎて落ちこぼれたり、増長してしまったりでマイナスも十分ありうる。

受験もあくまで経験であると捉え、そこで成功や失敗として捉えないことが大事なんだろう。

受験勉強でメタ認知力を鍛える

勉強は最高の自己投資。その一歩が子供の頃の授業や(やるなら)受験。

勉強は短期間では結果が出ないもの。よって、受験テクニックではなく「勉強する方法」を体得するのが大事。

「自らの思考を、思考し直す行動」。こうやって自分の解答を客観的に判定できたり、失敗について振り返れたり、物事を多面的にみることができるのは、社会でも役にたつ。

確かに、一つひとつの仕事(自分はプログラマなので、日々なんらか成果物が出るわけだが)をやって終わりではなく、その場や、後からでも振り返れたり別の視点で見られれば、より次の改善や行動につなげていけると思う。

戦略的な思考を身につけるために学歴はある

学歴社会は加速する可能性がある。これは、特定の分野においては実際そうだろうし、学歴ではなくとも、学生時代の実績(研究内容や博士を持っているかどうかとか)なんかが影響するのは避けられないと思う。ただ、あくまで特定の分野。

「受験というものは、きちんと戦略を立て、傾向と対策を練っていけば、誰でも突破できるという点で非常に公平なシステム」。テクニックだけで突破する意味はないが、こうやって戦略と戦術をきちんと思考して挑んでいけるなら、それは勉強する方法を学んでいることであり良さそうに思う。実際仕事なんてそんな感じだし。

学生をどこで過ごすかは、考え方にもよると思うが、環境が人を作るという点においては差はあると思う。単純に学力ではなくとも、田舎だと PC が家にある家庭もまだ多くはなく、IT に慣れ親しんでいない子供が多い中で、そういうことを伸ばしていきたいと思うと、それはそれでいびつなものが生じるだろうと思う。

伸びる子の育て方

「環境」を変えれば子供は伸びる

自然に勉強に向き合える環境を作る。自発的に、楽しんで勉強ができる環境。環境とは、親の子供への接し方であり、子供の友人関係であり、子供をとりまく世間の人々も含む。加えて、鍛人だけでなく、子供が見るメディア(テレビ、ネット etc)、読書、スポーツ等も含む。

この環境が、子供の中の判断軸、「生きていく上での基礎」が形成される。

大切なのは、子供自身が「勉強をすることの喜び」を自分のものにすること。

重要だと思う。一方で、全ての取捨選択は親ですらもできないし、やっていい範囲というのは限られてくる(特に対人関係は)。けれども、メディア・読書・スポーツなんかは、親自身も変わっていく必要はあるが、整えていくことはできると思う。

「勉強することの喜び」これは分かっていても、言葉で説明するのが難しい。今でも「なんで勉強してんの?」という問いに「楽しいから」とは答えられない。結局仕事で必要になるかもしれないから仕方なくだ。それでも自分が仕事のために勉強していけるのは、まだまだだが勉強の方法を知っているからだと思う。

まず子供を承認してあげる

「自分の存在感が示せない場所は居心地が悪い」。そんな場所で勉強する意欲なんて湧いてこない。子供は周囲の無言のメッセージも敏感に感じ取ってしまうため、何かに落ちこぼれ始めると「この家に必要とされてるのか?このクラスに自分は必要なのか?」と感じてしまう。

コンプレックスを感じさせない場所で再開させてあげる。あなたはここに居ていいと無条件で承認される場所であれば、劇的に能力が伸びることもある。

「自分の存在感を示せない場所」これは、仕事をしていてもある。転職時には、全く異なる仕事を選ぶよりも、半分ぐらい自分の能力がそのまま活かせる場所を選んだほうがいいという話もあるし、存在感を示せないと裁量も狭まっていってしまうので、結果伸び率も悪くなってしまう。自分にあった環境を選ぶというのは、これもレベルが高いとか低いではなく、自分に合っていて、能力を伸ばしていける場所を選ぶのが良いということだと思う。

覇気と好奇心がすべての源

小学生くらいの子供の教育で大事にしたいこと。

一つは覇気を養う。覇気があれば、常に前に積極的に進んでいける。成功を経験すれば、その体験が次の覇気を生んでくれる。勉強だけでなく、多くのことに挑戦していける。
覇気の元になるのは、子ども自身の好奇心。他人から与えられたものに好奇心は抱かない。ではどうするか?子供によるので正解はないが、どうやって好奇心に火をつけるかが大事。
親に押し付けられたのではなく、誰かに薦められたことで興味を持てたり、学校では習わないようなことであったり。

これは、現在進行系で自分の子供に対しても考えていきたいこと。「やりたくない」「できない」ということが多い一方で、親がやっていることをやりたがったり、「やらない」と言っていたことを祖父母の前では嬉々としてやっていたり。何が彼女のモチベーションに火を付けるのか分からないが、いろいろ試していきたい。

愛情を演出する

どうやって、覇気や好奇心を育てるか。

誰かができるようになったことを自分でもやりたい。やったことを誰かに褒めてもらいたい。そしてさらにできるようになりたい。

周囲とのコミュニケーションの中で「愛情」を感じることが、勉強のモチベーションにつながるのではないか。そうした「愛情」を演出することができれば、覇気や好奇心を育てられるのではないか。

家族でいろんなところに出かけ、非日常を「一緒に」体験すれば好奇心を刺激できるかもしれない。親子で新しいことにチャレンジしてもいい。明るく、会話が豊かな環境で育った子供は自然と覇気のある笑顔を見せてくれる。

何か事件や問題が起きた時には、対処の仕方を家族で話し合う。親子で議論することがいい会話になる。

「しつけ」とは「習慣をつけること」

覇気と並んで大切なのがしつけ。覇気が生きていくエネルギーなら、しつけはハンドルの役目。

相手のことを考えているか、正しいことを行おうとする気持ちがあるか。

習慣をつけるというのは、子供にとっては有る種の苦しさにもなる(もっと遊びたいのに、もっと起きていないのに)。一方で、そういう経験をしておけば、何か「やらなければならないプレッシャー」があった時にも逃げずに進んでいけるようになる。

小学生のころに勉強の習慣を付けておくといい。

予想どおりに不合理 14, 15 章を読んだ

予想どおりに不合理もようやく完走。7 月の中旬に読み始めてるからだいたい一ヶ月か。

読んで考えたこと

わたしたちの品性について その2

「なぜ現金を扱うときのほうが正直になるのか」

職場から赤鉛筆をもっていく

ペンやポストイットであれば、もし自宅で使いたいとなったときもっていくだろうか?持っていくかもしれない。では現金が無造作に置いてあったら、それをペンやポストイット相当の少額でも持っていくだろうか?

不正行為は現金から一歩離れている

不正会計、資金集めパーティー、接待旅行、なんにせよ現金から一歩離れている。もしも不正会計が金庫に入った現金に対してなら(どう実現するかはともかく)それを行っただろうか?

職場の備品は報酬の一部ともいえるじゃないか、ごまかした会計は一時的な処置で来月には直すつもりだった、など言い訳はいくらでもできるが、それが直接の現金に対してなら同じことをしたか。

代用貨幣での不正実験

現金に対してか、代用貨幣 (現金に対する引き換え券) に対してかで、不正を行う割合が増えるかの実験。引換券に対してになると、被験者は道徳上の制約から解放されたかのように、限界まで不正を行うようになるケースがあるという驚くべき結果になった。一方で、普段の時に、「代用貨幣の場合に不正を行うと思うか?」の質問には誰もが「それはありえない」と回答してしまう。実際に不正をする本人も、自身が不正行為を正当化してしまう状況になるまで自分がそうなると思っていない。

確かに、確定申告のことを思い出したとして、今まだその時期に遠いときは「正直に付けるだけだ」と思っていても、いざ領収書の山と、積み上がっていく金額をみれば、「これは考えようによっては経費では?」と小さな不正行為を正当化しだすかもしれない。出張時の相手への手土産と自宅へのお土産なんて、そういう機会が多い人は混ぜ込んでしまうかもしれない。

ビジネス界の不正

小さな不正が横行する。航空会社の従業員が顧客から不正にマイルをだまし取ろうとする(つまり現金ではない)。クレジットカードの利息の計算方法も予想外のことをしてきたりする。

CM やパンフレットでは、さも家族の一員のように振る舞っていても、現金から一歩離れれば、平気で小さな不正を行ってくる。

どうするか?

自分たち自身が、代用貨幣と不正をしてしまう傾向の関連に気づけなければいけない。現金から一歩離れれば、自分では想像できないほどの不正をしてしまうのだと自覚する必要がある。

田舎で引きこもっているとそういうことは少なそうとか自分で思ってしまうが、きっと思い出せないぐらい小さなでも確かに不正直な不正を自分もしてしまっているのだと思う。特に、ほとんどのことを自分もオンラインで済ませることが多く、不正に気をつける側でもあるし、同時にしてしまわないように気をつけていきたいと思う。

ビールと無料のランチ

行動経済学とは何か、そして、無料のランチはどこにあるのか」

ビールの実験と独自性欲求

グループに複数種類のビールからの注文を取る場合に、他人の注文と自分の注文、そして注文したものの満足度がどう影響するかという実験。

ここで、他人の注文に影響されて、異なるものを注文する人には相手になんらかの印象を与えるために、消費行動から得られる満足を犠牲にして、異なるものを選ぶらしい。逆に帰属意識の強い民族等では、同様に満足を犠牲にして、同じものを選ぶ傾向にあるらしい。

自分たちの不合理さを受け入れ、無料のランチを振る舞えるように生きる

経済学の観点からいえば、私達は合理的な選択を行う。目の前の選択肢の価値を判断し、何にも影響されずに決定することができるはず。

しかし実際はそうではない。自分でコントロールしているというのは、願望でしかなく、実際には不合理な決断をしている。

不合理はあたりまえかもしれないが、いつどこで間違った決断をする恐れがあるかを理解し、慎重になって、決断を見直すように努力することもできる。
また、科学技術を使って、その弱点を克服する方法を探してもいい。

個人も企業も、みなが無料のランチにありつけるような振る舞いを検討するといい。

読み終わって

正直に言えばタイトルから受けていた内容とは違っていて、それでいてとてもおもしろかった。予備知識も期待感も無かったのにこんなに面白く読めたので、自分にとって興味のある内容が多かったのだと思う。

自分は影響されやすい面と、独自性の欲求もあり、かつあまり好みのようなものが言語化できない。

最近車を購入したのだが、「今の軽だと遠出が辛いからちょっと大きめの普通車で」というのが大前提にありつつ、友人が最近買った車に影響されたり、「やっぱ電気自動車だな」と何に影響されたのか分からないようなことを言い出したり、「田舎に住んでてどうせ汚れるし、中古車でいいか」といいながら新車も調べ始めたり、実際 CM や Youtube での紹介動画なんかにもかなり影響されている。

けれど、最終的には昔から好きだったメーカーの中古車販売所でパッと見つけたのを買ったというよくわからない結果になった。

今回の行動にどれぐらい不合理だと言えそうな行動・判断が入っていたかは、たぶん数え切れないぐらいあるが、最終的に脳内のストーリー(昔もこのメーカーに憧れあったよね、中古で買ったから結構節約できたじゃん、など)や自宅の前にある姿を見て、とても満足した気分になっているので、これもプラセボの仲間なのかなと思ったりしている。きっと他人が見るより、自分のものはよく見えているだろう。

これからも、自分の行動を振り返ってみたり、判断の前に思い出したり(都合よく思い出せれば)して、活用していけたらなと思う。