伸びる子の法則の 1, 2 章を読んだ

お盆休みに実家に居た時に、弟が処分してた本をもらってきた。弟は独身なので、仕事で子供のことを考える機会でもあったのだろうか。

フォントサイズも比較的大きく、200 ページもないくらい。

勉強は最良の投資

勉強のモチベーション

勉強して何の意味があるのか?大企業に入るため?入ったところでいい人生が送れるとも限らない。ニート的なことすらも家庭によっては許される。
「なぜ勉強するのか」は、なぜ働くのか、なぜ人は生きるのかといった問いと同じように親も考え、答えられるようになりたい。

「勉強すれば自分の可能性が広がる」これは実際そうだとは思うが、そのために勉強するというのも説明はしにくい気がする。

勉強が自信をつくる

勉強して知識を身につけ、自分の望む人生を送る。自分自身の人生の主人公になるのが、勉強することの目的ともいえるでしょう

もちろん勉強がすべてではないが、人生をドライブするのに知識が役に立つとは思う。

日本人の「お金儲けは悪いこと」という謎の風潮。不正で得たお金でお金持ちになっている人が多い、またはそういう人ばかり目につくからだろうか。一方で、経済のことを子供に教えないのはまた違う。

現代だとサラリーマンが多いこともあり、子供が職業感や将来のことを早い段階で考えるのは、ほっといても身につくことではない。

自分はどういう風に生きたいかを、近代の偉人から学ぶのもいい。

勉強は「自分はやれた」という自信を持つための道具になる。スポーツでもいいと思うが、勉強もそういう自信をつくるためのツールになる。

受験に失敗しても良い経験

受験勉強は社会人の練習だし、社会人になってからもその先の練習・実践の連続。受験でこけたぐらいはなんでもない、失敗したことを前向きに捉え、そこで得た経験などを親も一緒に考えてあげること。仮に受験に成功したとしても、レベルの高い学校に行き過ぎて落ちこぼれたり、増長してしまったりでマイナスも十分ありうる。

受験もあくまで経験であると捉え、そこで成功や失敗として捉えないことが大事なんだろう。

受験勉強でメタ認知力を鍛える

勉強は最高の自己投資。その一歩が子供の頃の授業や(やるなら)受験。

勉強は短期間では結果が出ないもの。よって、受験テクニックではなく「勉強する方法」を体得するのが大事。

「自らの思考を、思考し直す行動」。こうやって自分の解答を客観的に判定できたり、失敗について振り返れたり、物事を多面的にみることができるのは、社会でも役にたつ。

確かに、一つひとつの仕事(自分はプログラマなので、日々なんらか成果物が出るわけだが)をやって終わりではなく、その場や、後からでも振り返れたり別の視点で見られれば、より次の改善や行動につなげていけると思う。

戦略的な思考を身につけるために学歴はある

学歴社会は加速する可能性がある。これは、特定の分野においては実際そうだろうし、学歴ではなくとも、学生時代の実績(研究内容や博士を持っているかどうかとか)なんかが影響するのは避けられないと思う。ただ、あくまで特定の分野。

「受験というものは、きちんと戦略を立て、傾向と対策を練っていけば、誰でも突破できるという点で非常に公平なシステム」。テクニックだけで突破する意味はないが、こうやって戦略と戦術をきちんと思考して挑んでいけるなら、それは勉強する方法を学んでいることであり良さそうに思う。実際仕事なんてそんな感じだし。

学生をどこで過ごすかは、考え方にもよると思うが、環境が人を作るという点においては差はあると思う。単純に学力ではなくとも、田舎だと PC が家にある家庭もまだ多くはなく、IT に慣れ親しんでいない子供が多い中で、そういうことを伸ばしていきたいと思うと、それはそれでいびつなものが生じるだろうと思う。

伸びる子の育て方

「環境」を変えれば子供は伸びる

自然に勉強に向き合える環境を作る。自発的に、楽しんで勉強ができる環境。環境とは、親の子供への接し方であり、子供の友人関係であり、子供をとりまく世間の人々も含む。加えて、鍛人だけでなく、子供が見るメディア(テレビ、ネット etc)、読書、スポーツ等も含む。

この環境が、子供の中の判断軸、「生きていく上での基礎」が形成される。

大切なのは、子供自身が「勉強をすることの喜び」を自分のものにすること。

重要だと思う。一方で、全ての取捨選択は親ですらもできないし、やっていい範囲というのは限られてくる(特に対人関係は)。けれども、メディア・読書・スポーツなんかは、親自身も変わっていく必要はあるが、整えていくことはできると思う。

「勉強することの喜び」これは分かっていても、言葉で説明するのが難しい。今でも「なんで勉強してんの?」という問いに「楽しいから」とは答えられない。結局仕事で必要になるかもしれないから仕方なくだ。それでも自分が仕事のために勉強していけるのは、まだまだだが勉強の方法を知っているからだと思う。

まず子供を承認してあげる

「自分の存在感が示せない場所は居心地が悪い」。そんな場所で勉強する意欲なんて湧いてこない。子供は周囲の無言のメッセージも敏感に感じ取ってしまうため、何かに落ちこぼれ始めると「この家に必要とされてるのか?このクラスに自分は必要なのか?」と感じてしまう。

コンプレックスを感じさせない場所で再開させてあげる。あなたはここに居ていいと無条件で承認される場所であれば、劇的に能力が伸びることもある。

「自分の存在感を示せない場所」これは、仕事をしていてもある。転職時には、全く異なる仕事を選ぶよりも、半分ぐらい自分の能力がそのまま活かせる場所を選んだほうがいいという話もあるし、存在感を示せないと裁量も狭まっていってしまうので、結果伸び率も悪くなってしまう。自分にあった環境を選ぶというのは、これもレベルが高いとか低いではなく、自分に合っていて、能力を伸ばしていける場所を選ぶのが良いということだと思う。

覇気と好奇心がすべての源

小学生くらいの子供の教育で大事にしたいこと。

一つは覇気を養う。覇気があれば、常に前に積極的に進んでいける。成功を経験すれば、その体験が次の覇気を生んでくれる。勉強だけでなく、多くのことに挑戦していける。
覇気の元になるのは、子ども自身の好奇心。他人から与えられたものに好奇心は抱かない。ではどうするか?子供によるので正解はないが、どうやって好奇心に火をつけるかが大事。
親に押し付けられたのではなく、誰かに薦められたことで興味を持てたり、学校では習わないようなことであったり。

これは、現在進行系で自分の子供に対しても考えていきたいこと。「やりたくない」「できない」ということが多い一方で、親がやっていることをやりたがったり、「やらない」と言っていたことを祖父母の前では嬉々としてやっていたり。何が彼女のモチベーションに火を付けるのか分からないが、いろいろ試していきたい。

愛情を演出する

どうやって、覇気や好奇心を育てるか。

誰かができるようになったことを自分でもやりたい。やったことを誰かに褒めてもらいたい。そしてさらにできるようになりたい。

周囲とのコミュニケーションの中で「愛情」を感じることが、勉強のモチベーションにつながるのではないか。そうした「愛情」を演出することができれば、覇気や好奇心を育てられるのではないか。

家族でいろんなところに出かけ、非日常を「一緒に」体験すれば好奇心を刺激できるかもしれない。親子で新しいことにチャレンジしてもいい。明るく、会話が豊かな環境で育った子供は自然と覇気のある笑顔を見せてくれる。

何か事件や問題が起きた時には、対処の仕方を家族で話し合う。親子で議論することがいい会話になる。

「しつけ」とは「習慣をつけること」

覇気と並んで大切なのがしつけ。覇気が生きていくエネルギーなら、しつけはハンドルの役目。

相手のことを考えているか、正しいことを行おうとする気持ちがあるか。

習慣をつけるというのは、子供にとっては有る種の苦しさにもなる(もっと遊びたいのに、もっと起きていないのに)。一方で、そういう経験をしておけば、何か「やらなければならないプレッシャー」があった時にも逃げずに進んでいけるようになる。

小学生のころに勉強の習慣を付けておくといい。