「スタンフォード式 疲れない体」の 1 章を読んだ
いつぞや買った古本。「シリコンバレー式最強の食事」という本が気に入っているので、それっぽいタイトルでなんとなく買ったまま放置してた気がする。
1 章 世界最新の疲労予防「IAP」メソッド
GCP 触ってると Identity-Aware Proxy かと思ってしまいそうですが違います。
IAP 呼吸法をすることにより疲れにくくするというもの。
IAP 呼吸法とは、息を吸うときも吐くときも、お腹の中の圧力を高めてお腹周りを固くする呼吸法で、お腹周りを固くしたまま息を吐ききるのが特徴です。 私はわかりやすく、「腹圧呼吸」とも呼んでいます。
面白いのは、よく「腹式呼吸」という言葉は聞くのですが、お腹をへこませる腹式呼吸はスタンフォードでは推奨されてこなかったそうです。
お腹を固くしておくことで
- 体幹が安定し、無理のない姿勢が保てる
- 体の中心がキープされることで、体の各部と脳神経の連携が阻害されない
- 体が「ベストポジション」になると、無理な動きがなくなる
- 無理な動きがなくなると、疲れやケガも防げる
というように、体のバランスをキープして、疲れを減らそうということに繋げようとしています。
IAP 呼吸法を実践する
そう簡単ではない、というか自然にできるようになるものじゃないのでトレーニングが必要。
大事なのは「横隔膜の可動」を意識すること。普通に呼吸をしていると、横隔膜はあまり動かないため動きが悪くなる。
具体的な方法としては以下のようなもの。
- 横隔膜をしっかり下げるように息を吸うと腹腔が上からプレスされ外側に圧力がかかり、お腹が膨らみ固くなる
- そのまま「お腹は膨らませたまま」「肩を下げず」に息を吐く
書籍には座った状態のトレーニング方法などが絵で紹介されているので、そちらも参照。
書籍内ではこの後、スタンフォードのアスリートでの IAP 呼吸法がどういう影響をしたか等の話がされていますが、そこは割愛。
パラドックス呼吸
スタンフォードのトレーナーが胸呼吸のことをそのように呼んでいるらしい。
肋骨の位置でその人がどんな呼吸をしているか分かるらしいが、胸呼吸の人の特徴が自分に一致しすぎていて辛い。
- 胸骨の一番下と左右の肋骨の一番出ているところを結んだ角度が 90 度を超える人
- 肋骨の下部が飛び出ているような人
疲れていたり、ストレスが溜まっていたりする人は、ほとんどが胸呼吸で、胸が上がってお腹が下がるのでお腹に圧がまったくかかっておらず横隔膜も動いていない状態。そして姿勢が崩れる。
こういう場合は、疲れを感じた時に IAP 呼吸方でタイムアウトを取り、落ち着きを取り戻すとよい。
睡眠前にも
ケガをした選手には、できるだけ早く体を動かすようにアドバイスするらしい。手術をして入院した時に、まだ身体中から管が出てるのに「とにかく歩け」と言われたのを思い出す。
理由は以下の2つ。
- 体は、動かさないと機能が衰えてしまう
- 日中に体はある程度動かさないと、夜間に体がリカバリーされない
日中に体を動かすことに関しては、交感神経と副交感神経の交替がうまくいかず、自律神経が乱れてよるに深い睡眠がとれなくなることも影響するよう。
「疲れたから、じっとしていよう」は逆に夜に回復しないため、疲れやすくなってしまう、というのは自分がよくやりがちなのでこの部分だけでも収穫。
一方で、「体を動かす」を意識しすぎて日中ではなく仕事帰りにジムで激しい運動したりすると、交感神経優位のまま夜になってしまう可能性も。当然、忙しい人やストレスが多い人は日中に動くなんてことはもっと難しい。
なので、就寝前に 2 分間 IAP 呼吸法をすることが薦められている。
「ぐっすりと眠っている人のお腹が上下しているのは、腹圧がしっかりかかっている証拠」の部分を読んで思い出したのは、娘のお腹は夜もずっと上下してるなということ。4 歳ながらまだお腹はぽっこりしてるので、凹んでるのを見たこと無いってのはあるけど、ああいうことなんだろうか。
良い酸素を取り込むために
イチローが血中酸素を下げないようなトレーニングをしていたという話。そういえば新しい Apple Watch が血中酸素計測が入ったのだっけ、買い替え時か。
運動で使われた酸素が活性酸素を生じさせ、それが細胞を傷つけるそうだが、それはストレスや徹夜によっても大量に発生するらしいし、日常活動でもつねに生じているらしい。
つまり、酸素を多く取り込む呼吸をすることも大事で、横隔膜を下げて大量の空気を体内に取り込める IAP 呼吸法はここでもメリットになるらしい。
この章のくくりには以下のような一文がある。
アスレチックトレーナーのミッションは、このようにインプットした最新の知見を日々簡単に行えるような形に実用化し、選手に実践してもらうこと。
IAP はこういう試行錯誤から生まれた一つの成果らしい。この書籍自体翻訳が 2 年以上前なので、もしかしたらもっと新しいメソッドが生まれているかもしれないなと思った。